どうも!もとゆき(@motoyuki_321)です。
先日『破天荒フェニックス』を読んだのですが面白かったので感想をつらつらまとめていきます
実はお恥ずかしながらワタシの住む地域にはオンデーズは無く、『おしゃれなメガネ屋でしょ?』くらいのイメージしかありませんでした
ところがどっこい売上20億円に対して14億の負債を抱えるオンデーズを当時30代前半の田中社長が買い取ってV字再生を果たし今では売上150億を超える企業に成長していたことに驚愕
ホロっと泣けるシーンもあり田中社長の文才には驚かされました
破天荒フェニックスはボリュームが多いけどサクッと読める
『破天荒フェニックス』は眼鏡チェーン『オンデーズ』の社長の田中修治さんが書いた企業再生の物語です
事実をベースにしたフィクションだそうですが、実際はもっとグチャグチャだったらしいです笑
僕は、「絶対に倒産する」と言われたオンデーズの社長になった。
企業とは、働くとは、仲間とは――。実話をもとにした、傑作エンターテイメントビジネス小説。2008年2月。小さなデザイン会社を経営している田中修治は、ひとつの賭けに打って出る。それは、誰もが倒産すると言い切ったメガネチェーン「オンデーズ」の買収――。新社長として会社を生まれ変わらせ、世界進出を目指すという壮大な野望に燃える田中だったが、社長就任からわずか3カ月目にして「死刑宣告」を突き付けられる。しかしこれは、この先降りかかる試練の序章にすぎなかった……。
企業とは、働くとは、仲間とは――。実話をもとにした、傑作エンターテイメント小説。引用元:幻冬舎HP
500ページほどの大ボリュームではあるものの展開はスリリングであっという間に読み切ることができました
実は読み始めた当初は『苦手な文体だな、、、』と思いつつ呼んでいたのですが、常にスリリングなので次が気になって読み続けるうちに気づいたらどっぷりハマってました笑
本作のキモは事業戦略だったり、サクセスストーリーではなく、『乗り越えても乗り越えてもやってくる資金ショートの現実と行動力』だったりします
売上は右肩上がりでも常に資金ショートの可能性を抱えているところにリアリティを感じさせ『この後どうなるんだろう!?』という高揚感の高め方がうまい
そしてどんなに業績好調でもキャッシュフロー次第で会社は明日にでも消し飛ぶという当たり前の事実を強く痛感したのがこの『破天荒フェニックス』
どんな時にも前向きに新店舗の拡充・雑貨店の買収・海外進出など大胆な施策を行う様は、まるでドラマのような展開で、元が事実ベースとは思えないスリリングさ
『事実は小説より奇なり』とはこういうことをいうんでしょうね
破天荒フェニックスの著者:田中修治さんとは
『破天荒フェニックス』の著者はオンデーズの現社長:田中修治さんです
略歴がこちら
10代から起業家として、企業再生案件を中心に事業を拡大する。
2008年に巨額の債務超過に陥り破綻していたメガネ製造販売チェーンの株式会社オンデーズから、個人で52パーセントの第三者割当増資引き受けて筆頭株主となり、代表取締役社長に就いた。
2013年に同社の海外進出を手がけ、オンデーズシンガポール法人(OWNDAYS SINGAPORE PTE LTD.)を設立して取締役に就いた。
2014年 オンデーズ台湾法人(恩戴適股份有限公司)を設立して代表取締役社長に就いた。
2015年 外国人専門の人材紹介会社「ダイバージェント株式会社」を設立して代表取締役社長に就いた。
2016年 外国人専門の求人サイト「ダイバージェント」の開発・運営を開始した。
2017年4月 ビジネス利用に特価した民泊プラットフォームTRIP BIZの開発・運営を開始した。
引用元:Wikipedia
そうとうヤリ手な感じです
でもご本人のインタビューなどを聞いていると決して順風満帆な人生ではなかったそうです
高校卒業後は就職はせず便利屋的な仕事をしていたとのことです
- 漫画喫茶・携帯ショップ・居酒屋などを経営
- 事業がことごとく失敗
- 20代前半で3億円近い借金を負う
- 親戚の家も担保に入れていたので自己破産したら親戚も露頭に迷う
- ITバブルの波に乗りWeb制作会社の立ち上げ
- 借金完済
波乱万丈ですよね笑
20代前半で3億円も借金を負うのもすごいし、完済するのもすごい
このあと小銭稼ぎのつもりでオンデーズの買収先を探していく中で、自分自身が買収し企業再生することになるという流れです
『破天荒フェニックス』の中でも社員に反対されながらも新しい施策、破天荒なアイデアを次々に実行し、社員も振り回されながら必死に会社を成長させます
やはり田中修治さんの強みは『失敗することを恐れず挑戦すること』に他ならないですね
破天荒フェニックスが面白い理由
『破天荒フェニックス』が面白い理由はいくつかあると思いますが、まとめてみました
それがこちら
- マイナススタート
- 決してサクセスストーリーじゃない
- 超えても超えても現れる壁
- 常に背水の陣
- 挑戦するところに共感できる
『資産家の買収物語』なんて面白くないですよね
『破天荒フェニックス』は14億円も負債のある会社をアイデア一本で買収し、再生していくのが面白いところ
もちろんマイナスからのスタートなので最初はかなり苦戦します
そして挑戦の先には常に新しい壁、資金ショートの現実が待ち構え、一寸先は闇
常に背水の陣で活路を見出していくのが痛快で面白いんです
新店オープンして『これはいける』と思っていても初日から閑古鳥
オープン費用で会社は火の車でピンチ!みたいな
うまくいきそうでうまくいかないところが読者心をかき立てます
これが堅実な企業経営であれば何も面白くはありませんが『背水の陣でも常に挑戦する姿勢』が応援したくなるんですよ
ワンピースでもドラゴンボールでも仲間と力を合わせて自分より一段階も二段階も強い敵に信念を持って立ち向かうから面白いんじゃないですか
まさに企業版少年ジャンプが『破天荒フェニックス』ですよ
東日本大震災の話で泣いた
泣けるポイントはいくつかありますが、もっとも泣けるのがこのエピソード
『破天荒フェニックス』ではオンデーズが東日本大震災で被災地支援をした時の話があります
ここでは被災地で眼鏡を無料で作成し、配布していた
そんなメガネを受け取った一人のお婆ちゃんの言葉です
別の避難所にいる避難者名簿の中から、家族全員の名前が、私の目に飛び込んできてくれたのよ!
家族の無事をこの目でね、確認することができたの。
あなたたちのおかげで、私は家族に会えるのよ!
明日になればすぐに会いに行くことができるのよ!
あぁ見えるということはなんて素晴らしいんだろうって、目がよく見えることのありがたさを、これほどまでに感じたことはなかったわ。
被災地では他の避難所にいる人、亡くなった人の名前が壁に貼り出されていたそうです
ですが、このお婆ちゃんはメガネがないためにこの文字が読めない
でも他の人に読み上げてもらってもし自分の家族の名前が亡くなった方のリストに書いてあったら、、、と思うと知ることが出来なかった
でもメガネを手に入れたおかげで自分の目で確認し、生きていることがわかった
『自分一人だけ生きること』に意味を見出せなかったお婆ちゃんが『生きる意味』を見いだせた瞬間です
そしてその瞬間を生み出したのが『メガネ』だった
メガネは『ただの金儲けのツール』なんかではなく『人に希望を与えるもの』
大事なことは物を売ることではなく『誰かの課題解決をする』という商売の源流に気づかされた時に涙が出ました
企業は利益を追求することは当たり前です
ですが、それ以上に大事なことは『誰かの課題解決をする』ということに注力すること
『誰かの課題解決をする』を考えて行動すればモチベーションも上がり、企業の価値も上がる
自然な好循環への入り口は身近なところにあったんだと気付けるキッカケになったシーンがビジネスマンには響きます
破天荒フェニックスを読むなら電子書籍がおすすめ
『破天荒フェニックス』は電子書籍で読むのがオススメです
経営に直結するキャッシュフローの問題も赤裸々に書いているので普段聴き馴染みのない言葉も多く登場します
でも電子書籍なら経営用語などの難しい言葉も瞬時に調べることができるので便利
また電子書籍ならいつでもどこでも持ち運び出来るし、様々なデバイスで楽しめます
詳しくは下記にて
読書は電子書籍でするべき!紙の本よりおすすめの理由・メリットとは?
まとめ:破天荒フェニックスはビジネスマンにおすすめ
『破天荒フェニックス』を通して改めて学んだことは『企業は人なり』ということ
オンデーズでは常に『企業は「人」そのもの』として大切にしてきました
会社を経営する上で一番利益を出す方法は経費の削減
そして最も削減しやすいのが『人』です
ですがオンデーズでは厳しい経営状況にもかかわらず社員の雇用や給料など、常に従業員に関わる部分は削減も遅滞もしませんでした
もちろんこれだけではありませんが、『人』を大切にし続けることで社員のモチベーションを上げ、好循環に入り、企業を成長させたのがオンデーズですね
どんなに一時的な利益を確保できても『人』がいなければ継続できませんし、拡大していく力も失いますからね
しかもオンデーズでは成功して『これで堅実に行けば事業は安泰』っていうフェーズで必ずチャレンジして窮地に追い込んでるんですよね
ただ行動した結果チャンスを掴んでいるのは間違いなく、そのチャンスを成長に転化しているのに希望が湧きます
ただの自伝ではなく、サクセスストーリーの自慢話でもない
企業再生の本質に迫った作品
『破天荒フェニックス』は経営者だけでなくビジネスマンにオススメの一冊
企業とは何か、経営とは何か、仕事とは何か
そんな根元に変えることのできた1冊でした